ビニロンとは(vinylon)


ビニロンとは、ポリビニル・アルコールから作られた繊維です。コットン(綿)に似た風合いで、化学式はユニチカのページに載ってます。

合成繊維の中で 唯一吸湿性があり 強度や熱にも強い上にコストが安いために、当初はトレーニング・ウェアや学生服等 いろいろ使われました。ですが、染色しにくくゴワゴワすると言う問題があり 今は産業用に多く使われています。

現在、日本では クラレ(株) ユニチカ(株) (株)ニチビが生産しています。主な用途としては、ロープ 海苔網(吸湿性があるため) 石綿に代わるセメント板の補強材(強度と耐熱性) ゴムやプラスチックの補強材等があります。

耐熱性のあるビニロンに難燃性加工を施したものは、燃焼時の溶融落下物(メルトドリップ)がないので、安全作業服や消防用出動服などに使用されています。

ニチビの水溶性ビニロン(商品名:ソルブロン)は 水に溶ける繊維として知られています。溶かす事で その布生地の風合いを良くしたり、無撚糸のタオル(風合いがとても良い)に使われたり、毛羽の多い麻糸に巻いて 織物の経糸に使ったりします。

日本で世界最初に1939年に合成された繊維で、ナイロンに2年遅れましたが 世界で2番目に作られた合成繊維です。作られた経緯は Wikipediaに詳しく載ってます。

この樹脂は フィイルム状にすると 平面性が良く 光学特性もいいので、液晶ディスプレイの偏光板など、繊維以外の用途にも 多く使われています。液晶ディスプレイの偏光板のクラレの世界シェアは80%と言われています。

(クラレには シェアNo.1の商品が 数多くあります。大学院時代の恩師が 就職先として強く奨めてました)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

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